QRS群(QRS波)について

心電図の波形 QRS群(QRS波)について

QRS群(QRS波)の意味


波形の中で一番大きい振れになります。

Q波の始めからS波の終わりまでをQRS波といいます。

心室中隔と両心室筋の興奮の過程を表しています。

心室の興奮は心室中隔から始まり、心尖部、心基部へと伝わります。

心房に伝わった刺激は房室結節→ヒス束→左脚と右脚

→プルキンエ線維 の順に伝わります。

プルキンエ線維は心室内に広く枝分かれしています。

プルキンエ線維が心室心筋に刺激を与え、心筋が収縮します。


*誘導部位によりQ波やS波は描かれない場合もあります。

 

 

QRS群(QRS波)の形


QRS群には様々な形状があります。

その為、表現方法の取り決めが行われています。

フレの大きい波は大文字、小さい波は小文字で表します。

同じ波のフレが二つ以上ある場合は、後のフレにダッシュをつけます。


*小文字の基準は振幅が0.5mV(5mm)未満。

 

 

正常なQRS波


幅(時間・秒)0.06又は0.05~0.10又は0.08秒

Q波の始点からS波の終点までの幅になります。

記録用紙の横の長さでは、1.5mm ~ 2.5mm

*1mm は 0.04秒

 

高さ(振幅・電圧・mV)

QRS波の高さとはR波の高さとS波の高さの合計になります。

誘導部位により異なります。

四肢誘導では0.5mV以上、胸部誘導では1mV以上。

上記より低い場合は低電位といいます。

 

 ☆参考文献により数値は多少異なります。

 

 

QRS群の向き


R波はaVR以外で全て上向き(陽性)

Q波とS波はaVR以外で全て下向き(陰性)

 

低電位になる主な原因

心臓周囲の水分貯留、肺気腫、四肢の浮腫、

心筋梗塞、心筋炎など


高電位は?

心室肥大や胸壁のうすい人にみられます。

R波やS波の高さが増大します。


心臓の刺激伝導系

洞結節から電気的刺激が起こると、心房へ伝わり心房筋が興奮。

その後、房室結節に刺激が伝わり、ヒス束、左脚と右脚、

プルキンエ線維の順に刺激が伝わり、心室が収縮します。

ヒス束は心室中隔に下降してから左脚と右脚に分かれます。

心室の興奮は心室中隔から始まります。

Q波の始まりが、心室中隔の興奮の始まりになります。

その後左脚と右脚、プルキンエ線維へと伝わり心室が興奮します。

R波が心室の興奮になります。


心電図を記録する速さと感度

記録用紙の標準的なスピードは、1秒間に25㎜です。

横の目盛が時間を表しており、一番小さい目盛 1mm は 0.04秒

になります。

電位の大きさ(上下方向のフレ)は、1mV=10mm が標準になって

います。

縦の目盛が電圧を表しており、一番小さい目盛 1mm は 0.1mV

になります。


波形の向きの表現方法

上向きのフレを陽性

下向きのフレを陰性又は逆転

フレが正常よりも低い時は平低

陽性と陰性の両方が存在する時は二相性

峰が2つに分裂している場合は二峰性

尖った波を尖鋭(QRS波以外)

*Q波、R波、S波は先の尖った波が正常波形になります。

その他のP波、T波、U波はなだらかな波が正常波形になります。

*陽性、陰性の基準は、基線より上か下かになります。

基線は通常、P波の始点から次のP波の始点を結んだ線になります。

続きはこちらです→ その他の波形

心電図検査 項目一覧



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参考文献

書籍

「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂

「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館

「ナース必携・心電図マニュアル」p12 p13 臨時増刊号 保存版 小学館

「写真でわかる基礎看護技術②」株式会社インターメディカ

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

 

インターネット

ウィキペディア

http://ja.wikipedia.org/wiki/心電図

https://ja.wikipedia.org/wiki/刺激伝導系