心臓内の電気の流れ
心電図の原理

心電図の原理

心臓内の電気の流れ


心筋の興奮によって発生する電気の流れを記録するためには、

 マイナス電極とプラス電極が必要になります。心臓を2つの電極で

挟むことで電気の流れを記録することが出来ます。


通常心臓の位置は中央よりやや左側にあり、下方にある心尖部

(心臓の先端部)が左側に寄って斜め向きになっています。

右心房の上部に位置する洞結節から発生した電気的刺激は心臓の

ほぼ中央にある房室結節を介して心尖部(心臓の先端部)の方へ

伝わります。心臓の電気的刺激は右斜め上から左斜め下の方へ

向かって伝わっています。


 

心電図の波形の向き


双極誘導の場合

電気はマイナス電極からプラス電極へ流れます。

心臓の電気的刺激と同じ流れの方向に電極をつければ波形は上向き

になります。

心臓内の電気の流れに対して、その上方にマイナス電極、下方に

プラス電極、即ち心臓の右斜め上の方にマイナス電極、心臓の左斜

め下の方にプラス電極を取り付けた場合は、心電図の振れは上向き

になります。

例えば、第Ⅱ誘導(双極誘導)では、心臓の電気的刺激とほぼ同じ

流れの方向になっています。右手がマイナス電極、左足がプラス

電極になっている為、心電図の振れは上向きになります。

 

反対に心臓の右斜め上の方にプラス電極、心臓の左斜め下の方に

マイナス電極を取り付けた場合は、心電図の振れは下向きになります。

 

 

 

単極誘導の場合

単極誘導の場合は、心臓内の電気が向かっている方向に位置して

いる電極は上向きに振れ、遠ざかっている方向に位置している電極

は下向きに振れます。

電極から心臓を見ていると仮定します。電気が電極の方へ向かって

くるときは上向きの波、遠ざかるとき(電極と反対の方向)は

下向きの波形になります。

例えば、aVFは左足に電極をつけている為、心臓内の電気の流れを

迎える形になります。その為心電図の振れは上向きになります。

反対に、aVRは右手に電極をつけている為、心臓内の電気の流れを

見送る形になり、心電図の振れは下向きになります。

 

*四肢の電極は実際は両手足についていますが、心筋の興奮で発生

した電気の流れは体表面のどの部分にも分布しています。その為、

心臓から遠い手首や足首からでも心筋の電気的変化を知ることが

出来ます。

右手は心臓の右上、左手は心臓の左上、左足は心臓の下に電極を

置いた状態とほぼ同じになります。

 

★心臓と体表面(皮膚)との間には、肺や縦隔、心外膜などが

ある為、心臓の各細胞の活動電位を直接表しているものでは

ありませんが、体表面から記録する心電図の知識は心臓の機能を

把握するうえでとても有用になります。

 

 ◆メモ◇~~~~~~~~~~

心電図の誘導

心電図の誘導は、心筋の活動電位の変化をみる視点を表し、

12誘導の場合は12の視点から心臓を観察することになります。

心臓を立体的にとらえることで心臓機能を把握することになります。

 

体表面に取り付ける電極の意味

電極は心筋の電位やその変化を導出するための誘導電極になります。

例えば胸部誘導の場合は、V5やV6に置かれた電極は、左室の心筋

の電位の変化を表しています。

 

活動電位とは? 

筋肉・神経などの細胞・組織が興奮した時に発生する電位の変化。

 

心筋の活動電位

心筋の細胞の表面に電気を流すと細胞が興奮して収縮します。

それまで一定のマイナスの電位を示していた膜電位(静止膜電位)

が上昇します。

興奮することで、膜電位が上昇することを脱分極といいます。

電気的刺激が起き興奮すると、膜電位は上昇し(脱分極)、

やがて元の静止膜電位(マイナス電位)に戻ります(再分極)。

活動電位とは、脱分極の開始から再分極の終わりまでの電位の

変化になります。

心臓の各部位により心筋の活動電位は異なります。

体表面から記録する心電図は、各部位の心筋の活動電位を、

ひとまとめに記録しています。

 

静止膜電位について

細胞は細胞膜で被われています。細胞膜を挟んで、細胞内と細胞外

の電位の差を膜電位といいます。細胞内と細胞外のイオンの分布

には差がある為、電位の差が生じています。通常、静止状態の

膜電位は細胞内が細胞外に対して負の電位にあります。

細胞内はカリウムイオン(K+)が多く、細胞外はナトリウム

イオン(Na+)が多く存在しています。

様々な作用で絶えず細胞内外のイオンの移動は行われています。

静止膜電位とは、絶えず移動しているイオンの動きが見かけ上、

動かなくなる条件をもたらす膜電位のことです。

見かけ上(実際はイオンの流出入は続いいる)イオンの移動がなく、

膜電位が安定した状態に見える条件をもたらす膜電位を静止膜

電位といいます。

静止膜電位を作っているのが、主にナトリウム・カリウムポンプと

カリウム漏洩チャネルになります。

*イオンは正又は負の電気をもつ原子または原子団。

 

電位とは?

電場内の1点に、ある基準の点から単位正電気量を運ぶのに必要な

仕事。(広辞苑より抜粋)

位置エネルギーとほぼ同じ概念。

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続きはこちらです→ 四肢誘導 

 

心電図検査 項目一覧



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参考文献

書籍

「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂

「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館

「ナース必携・心電図マニュアル」p12 p13 臨時増刊号 保存版 小学館

「写真でわかる基礎看護技術②」株式会社インターメディカ

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

 

インターネット

ウィキペディアHP内

http://ja.wikipedia.org/wiki/心電図

https://ja.wikipedia.org/wiki/電位

https://ja.wikipedia.org/wiki/膜電位