Q波、R波、S波、ST部分、T波、U波
心電図 波形

心電図の波形 その他の波形 Q波、R波、S波、ST部分、T波、U波

Q波


QRS群の始点からすぐに現れる下向きの波(aVR誘導では上向き)

心室中隔の興奮を表しています。

誘導部位によりQ波は描かれない場合もあります。

II・III・aVL・aVF・V5・V6 誘導でみられることもある様です。


幅(時間)は0.04秒未満で、高さ(振幅)は、R波の高さの

1/4未満が正常です。

 

 

R波


 R波はQRS群で現れる上向きの波(aVR誘導では下向き)

両心室の興奮の過程を表しています。

心室内膜から外膜までの活動電位の変化。

正常な心臓ではP波と1:1の割合で出現します。

通常全ての誘導で見られます。

 


S波


S波はR波の後に現れる下向きの波。

心室の興奮(脱分極)の終了を表しています。


*誘導部位により描かれない場合もあります。

 


ST部分


S波の終点からT波の始点までの部分になります。

下向きのS波が水平(基線)に変わる部分からT波が始まるまでの部分。

心室の興奮(脱分極)が終了し、再分極が始まるまでの時間になります。

心室興奮極期。

心室全体が興奮しきっている状態で、この時期は電位差がない為、

原則としては基線と同じレベルになります。

基線よりも上方にある場合を上昇、下方にある場合を低下と呼びます。

*多少の上下があったとしても、0.05mV以下。

*誘導部位によっては正常でもSTが上昇しているパターンもあります。

STの幅(時間)の正常値は 0.10~0.15秒


☆参考文献により数値は多少異なります。

 


T波


心室興奮回復期。

心室の興奮が終わって興奮がさめていく過程(再分極)を表しています。

aVR誘導では下向き(陰性)、その他の誘導では上向き(陽性)が

正常ですが、Ⅲ、V1、V2では正常でも低い陰性が出現することもあります。


正常な振幅(フレの高さ) 目安例

1.2mV未満でR波の振幅の1/10以上

胸部誘導では1mv以下でR波の振幅の1/10以上

四肢誘導では0.5mv以下でR波の振幅の1/10以上

*1.2mV以上ある場合は高カリウム血症が疑われます。


正常な幅(時間)目安

0.10~0.25秒


☆参考文献により数値は多少異なります。



U波


T波に続く小さな波。

T波より通常は低い。

U波は他の波の様に成り立ちがはっきりと解明されていません。

aVR誘導では下向き(陰性)、その他の誘導では上向き(陽性)が正常。

正常でも見られないこともあります。

aVR誘導以外での陰性U波が認められる場合は心筋虚血や心肥大などが

疑われます。


正常な振幅(フレの高さ)と幅(時間)目安例

振幅(高さ):0.05mV(四肢誘導) 0.1mV(胸部誘導)

幅(時間):0.16~0.25秒


☆参考文献により数値は多少異なります。


異常Q波について

Q波の幅が0.04秒以上、高さがR波の1/4以上の波を

異常Q波といいます。

正常な心臓でも異常Q波はⅢ・aVL・aVR・V1・V2(?)誘導で

単独に見られる場合もあるようです。

それ以外の誘導で見られる場合は、心筋壊死(心筋梗塞等)が

疑われます。

*心臓の電気軸や回転等によっては、正常な心臓でも

異常な波形が描かれる場合もあります。


T波の表現方法

陽性、陰性、二相性、尖鋭、平底、平坦、テント状(陽性に増高)

冠性T波(左右対称の陰性T波)

*R波の1/10未満を平坦、1.2mV以上を増高


心臓の刺激伝導系

洞結節から電気的刺激が起こると、心房へ伝わり心房筋が興奮。

その後、房室結節に刺激が伝わり、ヒス束、左脚と右脚、

プルキンエ線維の順に刺激が伝わり、心室が収縮します。

ヒス束は心室中隔に下降してから左脚と右脚に分かれます。

心室の興奮は心室中隔から始まります。

Q波の始まりが、心室中隔の興奮の始まりになります。

その後左脚と右脚、プルキンエ線維へと伝わり心室が興奮します。

R波が心室の興奮になります。

 

心電図を記録する速さと感度

記録用紙の標準的なスピードは、1秒間に25㎜です。

横の目盛が時間を表しており、一番小さい目盛 1mm は 0.04秒

になります。

電位の大きさ(上下方向のフレ)は、1mV=10mm が標準になって

います。

縦の目盛が電圧を表しており、一番小さい目盛 1mm は 0.1mV

になります。


波形の向きの表現方法

上向きのフレを陽性

下向きのフレを陰性又は逆転

フレが正常よりも低い時は平低

陽性と陰性の両方が存在する時は二相性

峰が2つに分裂している場合は二峰性

尖った波を尖鋭(QRS波以外)

*Q波、R波、S波は先の尖った波が正常波形になります。

その他のP波、T波、U波はなだらかな波が正常波形になります。

*陽性、陰性の基準は、基線より上か下かになります。

基線は通常、P波の始点から次のP波の始点を結んだ線になります。

続きはこちらです→ 主な波形の基準値

 

 

 

 

心電図検査 項目一覧



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参考文献

 書籍

「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂

「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館

「ナース必携・心電図マニュアル」p12 p13 臨時増刊号 保存版 小学館

「写真でわかる基礎看護技術②」株式会社インターメディカ

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社

 

インターネット

ウィキペディア

http://ja.wikipedia.org/wiki/心電図