看護用語詳細 血管迷走神経反射
看護用語詳細


血管迷走神経反射・反応(VVR)


迷走神経は自律神経の一つである副交感神経と関係が深い神経です。

副交感神経と同様の働きをしています。

副交感神経が優位になると、心拍減少、血圧低下などがおこりま

す。交感神経は逆の作用を起こします。

このふたつの神経(自律神経)がバランスを保っている状態では特

に問題はありませんが、崩れた時に症状が出てきます。

痛みやストレス、精神的ショックなどが誘因となって迷走神経や血

管運動中枢が刺激されると、心拍数の減少や末梢血管の拡張等を引

き起こします。これらの反応が血管迷走神経反射(反応)で

す。体を防衛しようとする生理的な反応ですが、迷走神経が過度

に緊張し自律神経のバランスが崩れた場合に、様々な症状が出て

きます。

 

*迷走神経の緊張により心拍数が低下(徐脈)し、血管運動中

枢の刺激により交感神経が抑制されると、末梢血管の拡張がおこ

り血圧が低下します。

循環血液量の減少や血圧低下に伴う様々な症状が出現します。

脳への血流量が減少したり、高度な徐脈が起きた場合は、血管迷

走神経反射性失神(血管迷走神経性失神・略称VVS)を起こし、

意識を失うこともあります。

 

 

採血や注射時による血管迷走神経反射症状とその対処方法


◆採血や注射時による血管迷走神経反射とは? 

針が刺さることによる恐怖や痛みなどによるストレスで迷走神経が

刺激され、副交感神経機能が亢進した状態を血管迷走神経反射と

いいます。徐脈や血圧低下による循環血液量の減少がみられます。

冷汗、気分不快、顔面蒼白、失神などの症状が現れることがあります。

 

◆対処方法 

①採血や注射時に症状が現れたら速やかに針を抜きます。

※採血や注射自体は短時間で終了する為、通常は終了した後に症状が徐々に現れてくることが多いと思います。

 

②血圧低下による症状が出てきますので、まず、頭を低くして、

下肢を拳上させます。

症状が軽いようであれば、枕をしないで、仰向け、又は横(側臥

位)にします。

本人の一番楽な姿勢を。

深呼吸、水分補給で様子を見ます。

穿刺などの痛みによる症状であれば、 一時的なものが多く回復は

早い。

 

◆メモ◇~~~~~~~~~~

迷走神経について

迷走神経は延髄から出ている脳神経の一つです。

第Ⅹ脳神経になります(脳神経は12対あります)。

運動神経と知覚神経、副交感神経性の線維を含んでいます。

頚部、胸部、腹部の内臓(骨盤内臓器 直腸・膀胱・生殖器など

を除く)、心臓及び血管系などを支配しています。

主な働きは、咽頭、喉頭、気管、口、食道の運動や知覚を司って

おり、嚥下運動や発声に大きな役割をしています。又、消化管の

蠕動運動の亢進や分泌物増加、気管や気管支からの分泌増加

等の働きもあります。

副交感神経の代表的な神経な為、迷走神経が刺激されると副交感

神経と同様の反応が起きます。

心拍数の低下(徐脈)、血管の拡張、瞳孔の縮小(縮瞳)などの

反応が起きます。

 

血管迷走神経反射の機序

機序は複雑で解明できてない部分もあるようです。

考えられる機序としては、迷走神経を刺激するような誘因、例え

ば、痛みや恐怖などのストレスによる刺激が起きると、迷走神経の

求心性線維(求心路)により刺激が延髄に伝わります。

又は、長時間の立位や坐位などで末梢静脈のうっ滞が続くと、

左室機械受容器が刺激され迷走神経の求心性線維(求心路)を

介して延髄に伝わります。延髄の孤束核というところを経て迷走神

経核へ伝わり迷走神経が刺激され、遠心性線維(遠心路)を介し

て心拍数の減少が起きます。又、孤束核を経て血管運動中枢へ

も伝わり交感神経が抑制されます。

迷走神経が刺激されると心拍数が減少します。

交感神経が抑制されると末梢血管が拡張し、血圧が低下します。

 

血管迷走神経反射性失神(略称VVS)とは?

反射性失神(神経調節性失神)の一つです。

反射性失神の中でも頻度の多い失神です。

心臓抑制(徐脈)による失神、血圧低下のみによる失神、

徐脈と血圧低下の両方を伴う失神の3つに分類されるようです。

いずれも脳血液量の減少による一時的な意識消失です。

失神時は、誤嚥を避ける為に、顔を横に向けます。

体も少し横に向けておきます。

バイタルサインを測定してしばらく様子をみます。

大抵は臥位になると意識が回復し、症状も軽減又は消失します。

血管確保が必要な時もあります。

*反射性失神には他にも、頸動脈洞症候群、状況失神があるよう

です。状況失神には、排便失神、排尿失神、咳嗽失神、嚥下性失

神などがあります。

 

血管迷走神経性反射の誘因

血管迷走神経反射の誘因としては、痛みや恐怖などの肉体的・精

神的ストレス、長時間の立位や坐位による末梢静脈のうっ滞などが

あります。

 

血管迷走神経反射性失神の前駆症状

腹部の不快感や腹痛、悪心、嘔吐、眩暈、頭重感、頭痛、複視、

眼前暗黒感などがあります。

*眼前暗黒感とは、めまいの一種で、急に目の前が暗くなることです。

~~~~~~~~~~~~~~

 

 




サイト内コンテンツ




◇参考文献

インターネット

一般社団法人日本循環器学会HP内

失神の診断・治療ガイドライン p3~p17

//www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_inoue_h.pdf

ウィキペディアHP内

//ja.wikipedia.org/wiki/迷走神経

//ja.wikipedia.org/wiki/自律神経系

//ja.wikipedia.org/wiki/副交感神経系

//ja.wikipedia.org/wiki/失神

日本救急医学会HP内

//www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/1103.htm


書籍

「最新医学大辞典 医歯薬出版株式会社」

自律神経 p686  迷走神経反射 p1400

「家庭医学大百科 主婦の友社」p387 p389

「ゼロからわかる救急・急変看護 成美堂出版」p61


最終更新日 2015/9