脈拍の異常と原因

脈 拍

脈拍の性状


脈拍の性状には、大きさ(強さ)、速さ、緊張・硬さなどがあります。

 

脈拍の大きさ

脈拍の大きさは、動脈の拍動の幅になります。触れている指先を

押し上げる脈の大きさ(強さ)で確認できます。

動脈が心臓の収縮期にどれだけの血液で満たされたか、拡張期に

どれだけ少なくなるかによって脈拍の大きさが決まります。

1回心拍出量を表しており、多ければ大脈(強い脈)、

少なければ小脈(弱い脈)になります。

大脈では脈圧が大きくなり、小脈では脈圧が小さくなります。

*脈圧とは、収縮期血圧と拡張期血圧の差。

大脈と小脈が交互に現れる脈を交互脈といいます。

 

脈拍の速さ

脈の立ち上がりと下降の速さを表します。

脈拍の速さには、速脈、遅脈があります。

左心室の収縮の強さと速さを反映しています。

左心室の収縮力が高くなると速脈に、低下すると遅脈になります。

速脈では脈の立ち上がりと下降が急で、遅脈では緩やかになります。

触れている指先に感じる血管の充満の度合いを確認します。

最も心臓に近い動脈の拍動部位は、頸動脈になります。

その為、脈拍の速さは頸動脈のほうが確認しやくなります。

 

頸動脈を触診する場合は、強く圧迫しないようにします。

又、必ず片側のみで触診し、両方同時の触診は通常、しません。

 

遅脈と徐脈は違います。

遅脈は1回の脈拍の立ち上がりと下降の

速さが遅い脈になります。徐脈は脈拍数が少ない脈になります。

 

脈拍の緊張・硬さ

脈拍の緊張・硬さには、硬脈と軟脈があります。

緊張が強く硬い脈を硬脈、緊張が弱く軟らかい脈を軟脈といいます。

動脈壁が硬い場合は硬脈になり、通常、血圧は高くなります。

血圧が低い場合は軟脈を触れることが多くなります。

脈拍を測定する時は、3本(示指、中指、環指)の指をあてます。

心臓に最も近い指先で、脈拍が触れなくなるまで圧迫します。

この時の力の度合いで、硬脈か軟脈か判断します。

強い力が必要な時は硬脈、弱い力の場合は軟脈になります。

 

体の表面から触れることが出来る主な動脈の拍動部位

橈骨(とうこつ)動脈、上腕動脈、頸動脈、大腿動脈、

膝窩(しつか・しっか)動脈、後脛骨動脈、足背動脈 等があります。

 

心臓の拍動について

心臓は自発的な電気的刺激により収縮します。

右心房にある洞結節から電気的興奮がはじまり、心室のプルキンエ繊維へ

広がり、心室が収縮します。

心臓が周期的に収縮と拡張を繰り返し、動脈血を全身に送り出すことを

心臓の拍動といいます。

 

脈拍と自律神経

心臓は自律神経によって調整されています。

交感神経が優位になると心拍数(脈拍数)が増加し、副交感神経が

優位になると心拍数(脈拍数)が減少します。

 

血液循環

右心房→右心室→肺動脈(静脈血)→肺の毛細血管(ガス交換)

→肺静脈(動脈血)→左心房→左心室→大動脈→全身の動脈

→毛細血管(ガス交換)→静脈→上下大静脈→右心室

 

脈波について

脈波は心臓の拍動に伴って大動脈から末梢動脈へ伝わっていきます。

動脈内の圧や血液の容量が変化します。圧による変化として表れる

波を圧脈波、血液の容積の変化に伴って表れる波を容積脈波といいます。

心臓疾患や末梢動脈疾患(PAD)などの診断に用いられます。

一般的に使用されているパルスオキシメーターは、指尖容積脈波になります。

続きはこちらです→ 脈拍の異常 概要

 

最終更新日 2016/11/27

 


◇参考文献

書籍

「人体生理学ノート」金芳堂  1982年 p86~p88

「わかって身につくバイタルサイン」学研 2013年 p40~p62 

「フィジカルアセスメント ナースに必要な診断の知識と技術」第4版 医学書院 2007 p27~p30 p82

「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館 1994 p27~

「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂 1985 p66~

「新・検査マニュアル」小学館 1993  p28~

「ゼロからわかる救急・急変看護」成美堂出版 2013年 p102~

「介護職員等のための医療的ケア 喀痰吸引・経管栄養等の研修テキスト」p50 p51

「ナース必携心電図マニュアル」小学館 

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社 p1223  p1387 p685

 

インターネット

ウィキペディアHP

http://ja.wikipedia.org/wiki/拍動

http://ja.wikipedia.org/wiki/パルスオキシメーター

http://ja.wikipedia.org/wiki/心拍数

http://ja.wikipedia.org/wiki/不整脈

http://ja.wikipedia.org/wiki/期外収縮

http://ja.wikipedia.org/wiki/頻脈

http://ja.wikipedia.org/wiki/徐脈

http://ja.wikipedia.org/wiki/心房細動

http://ja.wikipedia.org/wiki/房室ブロック