脈拍について

脈 拍

脈拍からわかること


脈拍を通して脈拍の数とリズム(調律)、性状などがわかります。

心臓の状態や全身状態を知る重要な手がかりになります

 

 

脈拍数


脈拍数は年齢、性別、体格、運動、温度などの要因で生理的に変化します。

 

脈拍の年齢別による正常値(基準値) 目安 例

*文献により多少異なります。

脈拍数は1分間の測定値で表します。

生理的な変動がある為、安静時に測定します。

新生児 130~150 回/分

乳児 110~130 回/分

幼児 100~120 回/分

学童 80~90 回/分

成人 60~80 回/分

高齢者 50~70 回/分

 

成人では女性の方が少し多い傾向にあります。

運動、食事、入浴、睡眠などで生理的な変動がみられます。

運動時や食後、入浴後などは脈拍は多くなり、

睡眠時は減少します。

 

脈拍数の異常値 目安 例

成人の場合は通常、1分間に60回未満を徐脈、100回以上を頻脈といいます。

 

 

脈拍のリズム(調律)


脈拍のリズムが規則的に拍動していることを整脈といいます。

リズムが不規則になることを不整脈といいます。

脈が遅くなったり、速くなったりを繰り返したり、

心臓の期外収縮などがあるとリズムが乱れます。

心室性期外収縮や房室ブロックなどがあると、

規則的にうっていた脈が一瞬触れなくなるときがあります。

これを脈拍欠損(結滞・欠滞・結代)と呼び、リズムが乱れます。

リズムの乱れには、二段脈、三段脈などがあります。

全く不規則な脈を絶対性不整脈といいます。

 

不整脈は調律機能が異常な心拍の総称になります。

必ずしも心拍が不規則なものだけではなく、

心拍のおこりかたの異常なものも含まれます。

広い意味で徐脈や頻脈も不整脈に含まれます。

 

不整脈の詳細は下記をご参照ください。

不整脈

 

 

脈拍の性状


脈拍の性状には、大きさ(強さ)、速さ、緊張・硬さなどがあります。

脈拍の性状は回数やリズムと異なり、触診して識別するには困難です。

循環器専門の医療従事者になると、ある程度識別できる人もいると

思いますが、通常は性状を識別するには脈波を測定して、波形から

判断します。

 

*脈が強い、弱い、硬い、軟らかい、細いなどの大まかな性状は

触診でも確認できます。

詳細に関しては下記をご参照ください。

脈拍の性状

 

  

左右差・上下肢差


◆左右差

上肢の場合は左右の橈骨動脈を同時に触診し、左右差をみます。

左右差がある場合は、左右の上腕動脈の血圧を測定します。

下肢の場合は左右の足背動脈を同時に触診し、左右差をみます。

左右差がある場合は、左右の下肢の血圧を測定します。

下肢での血圧測定部位は、大腿にマンシェットを巻く場合は

膝窩動脈、下腿にマンシェットを巻く場合は、後脛骨動脈、

足背動脈を測定します。  

 

◆上下肢差

下肢の脈拍と上肢の脈拍の差をみます。

差がある場合は、それぞれの血圧を測定します。

 

体の表面から触れることが出来る主な動脈の拍動部位

橈骨(とうこつ)動脈、上腕動脈、頸動脈、大腿動脈、

膝窩(しつか・しっか)動脈、後脛骨動脈、足背動脈 等があります。

 

心臓の拍動について

心臓は自発的な電気的刺激により収縮します。

右心房にある洞結節から電気的興奮がはじまり、心室のプルキンエ繊維へ

広がり、心室が収縮します。

心臓が周期的に収縮と拡張を繰り返し、動脈血を全身に送り出すことを

心臓の拍動といいます。

 

脈拍と自律神経

心臓は自律神経によって調整されています。

交感神経が優位になると、心拍数(脈拍数)が増加し、

副交感神経が優位になると、心拍数(脈拍数)が減少します。

 

血液循環

右心房→右心室→肺動脈(静脈血)→肺の毛細血管(ガス交換)

→肺静脈(動脈血)→左心房→左心室→大動脈→全身の動脈

→毛細血管(ガス交換)→静脈→上下大静脈→右心室

 

脈波について

脈波は心臓の拍動に伴って大動脈から末梢動脈へ伝わっていきます。

動脈内の圧や血液の容量が変化します。

圧による変化として表れる波を圧脈波、血液の容積の変化に伴って

表れる波を容積脈波といいます。

心臓疾患や末梢動脈疾患(PAD)などの診断に用いられます。

一般的に使用されているパルスオキシメーターは、指尖容積脈波になります。

 続きはこちらです→ 脈拍の性状

 

 

 

最終更新日 2016/11/27

 


◇参考文献

書籍

「人体生理学ノート」金芳堂  1982年 p86~p88

「わかって身につくバイタルサイン」学研 2013年 p40~p62 

「フィジカルアセスメント ナースに必要な診断の知識と技術」第4版 医学書院 2007 p27~p30 p82

「ナース必携最新基本手技AtoZ」EXPERT・NURSE 保存版 小学館 1994 p27~

「心電図・ナースのためのワークブック」金芳堂 1985 p66~

「新・検査マニュアル」小学館 1993  p28~

「ゼロからわかる救急・急変看護」成美堂出版 2013年 p102~

「介護職員等のための医療的ケア 喀痰吸引・経管栄養等の研修テキスト」p50 p51

「ナース必携心電図マニュアル」小学館 

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社 p1223  p1387 p685

 

インターネット

ウィキペディアHP

http://ja.wikipedia.org/wiki/拍動

http://ja.wikipedia.org/wiki/パルスオキシメーター

http://ja.wikipedia.org/wiki/心拍数

http://ja.wikipedia.org/wiki/不整脈

http://ja.wikipedia.org/wiki/期外収縮

http://ja.wikipedia.org/wiki/頻脈

http://ja.wikipedia.org/wiki/徐脈

http://ja.wikipedia.org/wiki/心房細動

http://ja.wikipedia.org/wiki/房室ブロック