脈拍の異常と原因

脈 拍

心停止(cardiac arrest)について


心停止とは、心臓が全身に血液を送り出すことが出来ず、

脈拍は心臓に一番近い頸動脈でも触れなくなり、血圧も測定が出来

なくなる状態のことです。

心停止には心静止、無脈性電気活動、無脈性心室頻拍、心室細動が

あります。

心静止の場合の心電図波形は平坦になります。心臓の電気活動が停

止している状態です。

無脈性電気活動での心電図では、収縮時の波形はあっても、血液の

拍出はありません。

電気活動はあっても血液が拍出されていません。

無脈性心室頻拍は、心室頻拍の中で収縮時の波形はあっても、血液

の拍出がない心拍になります。

*心室頻拍には血液の拍出を伴う(脈拍の触知が可能)心拍も

あります。

心室細動は、心筋が不規則に収縮し、有効な血液の拍出がない状態

です。脈拍は触れません。

 

 

心停止時の処置


心停止の場合は早急な心肺蘇生が必要になります。

無脈性心室頻拍と心室細動の場合は、除細動も必要になります。

除細動で正常な調律に戻らない場合は、心肺蘇生(心臓マッサージ

と人工呼吸)を続けます。

心静止と無脈性電気活動の場合は、除細動は効果がないため、

心肺蘇生(心臓マッサージと人工呼吸)を実施します。

 

心臓の役割

心臓は血液を全身に送り出すポンプの役割をしています。

右心室から送り出される血液の循環を肺循環(小循環)と

いいます。

左心室から送り出される血液の循環を体循環(大循環)と

いいます。

肺循環では右心室から送り出された血液(静脈血)は、肺動脈を

通って肺へ流れ(肺胞でガス交換)動脈血となり、心臓(左心房)

に還ります。

体循環(大循環)では左心室から送り出された血液(動脈血)は

大動脈を通って全身へ流れ(細胞と毛細血管間でガス交換)静脈血

になり、心臓(右心房)に還ります。

心臓は先に心房が収縮して、その後、心室が収縮します。

心房内の血液を先に心室に送り出したあとに、心室が収縮して全身

に血液が送り出されます。

心室の左右それぞれほぼ同じ量の血液を拍出しています。

両心房と両心室が収縮と弛緩(拡張)を繰り返すことで、全身の

血液循環が円滑に行われています。又、血液の逆流を防ぐ弁の役割

も重要になります。

 

心拍出量について

心機能評価の基本的指標。

1回の収縮でそれぞれの心室から送り出される血液量を1回拍出量、

1分間に送り出される血液の量を心拍出量又は毎分心拍出量といい

ます。

心拍出量は、1回拍出量×1分間の心拍数になります。

1回拍出量の正常値は成人の安静時で、約70ml(約60ml~100ml)

*文献により多少数値は異なります。

右心室から送り出される血液の量と左心室から送り出される血液

の量は正常であればほぼ同じ量になります。

 

心室頻拍と心室細動の違いは?

生命の危険度は心室細動の方が高い。

心室頻拍は比較的規則的で、脈拍が触れることもありますが、十分

な量は拍出されない為、長く続くと心不全やアダムストークス発作

を起こします。又、心室細動に移行する危険もあります。

心室細動は全く不規則で、脈拍は触れず、血液が全身へ送り出され

ない為、早急な心肺蘇生と電気ショックが必要になります。 

続きはこちらです→ 脈拍の測定部位

 

最終更新日 2016/12/16

 


◇参考文献

書籍

「最新医学大辞典」医歯薬出版株式会社 心停止 p727

「家庭医学大百科」主婦の友社 心停止 p285

 

インターネット

ウィキペディアHP

https://ja.wikipedia.org/wiki/心停止

https://ja.wikipedia.org/wiki/心肺蘇生法

http://ja.wikipedia.org/wiki/不整脈